釜山(プサン)は韓国南東部にある韓国第2の都市です。
ミシュランガイドのソウル編は2017年から発表されてきましたが、釜山編は2024年版で初めて発表されました。「ミシュランガイド・釜山2024」では3軒の飲食店が1つ星を獲得し、15軒の飲食店がビブグルマン部門に選出されました。今回はビブグルマン部門に選出された4軒の韓国料理店を紹介します。
※ビブグルマンとはミシュランガイドでの評価指標の1つで、安くてコストパフォーマンスのよいお薦めの店が選出されます。
※韓国で唯一の3つ星レストランの「MOSU SEOUL(モス ソウル)」は「2023年ミシュランガイド初掲載のレストラン①」で詳しく紹介していて、その他の記事でもミシュランガイド・ソウルに掲載されている飲食店を紹介しているので、そちらを参考にしてください。
ミシュランガイド・釜山の店一覧②
陜川(ハプチョン)クッパプチプ
陜川クッパプチプは龍湖洞(ヨンホドン)という場所にあるテジクッパ(正しい発音はテジクッパプ)専門店です。テジクッパとは、釜山を代表する名物料理の1つで、日本の焼肉店で食べられる辛いクッパとは違い、豚肉と豚骨で煮込んだスープにご飯を入れたシンプルな料理です。コムタンやソルロンタンのような、あっさりとした味が特徴です。テジクッパ1杯の値段が安く、大衆的なメニューとして定着しています。
陜川クッパプチプは「釜山3大テジクッパ」に数えられている名店です。店名の陜川は釜山と同じく韓国南東部にある地名です。釜山の観光スポットとなっている「テジクッパ通り」と違って、店のある場所が最寄り駅から遠いのが難点ではあります。
陜川クッパプチプのテジクッパは一般的なものと比べてスープが透き通っていて、さっぱりしているのが特徴です。人気メニューは一般的なテジクッパ「タロクッパプ」と、スープを作る時に使用した豚肉をスライスしたもの「スユク」(小・大)で、タロクッパプには大きな肉がたくさん入っています。テジクッパメニューは他にスンデ(豚の腸詰め)が入った「スンデタロクッパプ」や、豚の内臓が入った「ネジャンタロクッパプ」などがあります。テジクッパとスユクの両方を食べたいという人には「スユクペッパン」という定食がお薦めです。テジクッパのおいしい食べ方についてはこちらを参考にしてください。
陜川クッパプチプの営業時間は9時30分から20時(14時から14時30分の間はブレイクタイム)までです。11時から13時の間は1人での注文不可となっているので、行く際は注意しましょう。メニュー表は韓国語のみで日本語表記はありません。なので、昼間の時間も含めて韓国が分かる人と一緒に行くと安心でしょう。
最寄り駅:釜山地下鉄2号線 慶星大・釜慶大(キョンソンデ・プギョンデ)駅からタクシーで9分
安木(アンモク)
安木は釜山の2大ビーチの1つである広安里(クァンアルリ)にあるテジクッパ専門店です。店内の座席はカウンターの20席ほどで、スタイリッシュなラーメン屋のような雰囲気です。店の回転率は速いですが、座席数が少ないので食事時の行列は必至です。事前予約の必要はありませんが、店での順番待ちの方法が韓国の予約サイト・アプリ「CATCH TABLE(キャッチテーブル)」を導入しているので、事前に登録してから行くことをお勧めします。CATCH TABLEはメールアドレスだけで会員登録できるので、日本人でも利用することができます。
安木のテジクッパは従来のテジクッパにアレンジを加えているのが特徴で、スープは36時間かけてじっくり煮込んでいます。メニューは「テジクッパプ」の他に、豚の頭の肉が入った「モリッコギクッパプ」、豚骨ラーメンに近い「テジラミョン」、「スユク」(小・大)などがあります。一般的なテジクッパを食べ飽きた人や、一風変わったテジクッパを食べてみたいという人には安木をお薦めします。
安木の営業時間は11時から21時(15時30分から17時の間はブレイクタイム)までで、水曜日が定休日となっています。土・日曜日はブレイクタイムなしで営業しています。注文方法はタッチパネルになっていて、画面には日本語表記も表示できるので韓国語が分からなくても安心でしょう。
最寄り駅:釜山地下鉄2号線 南川(ナムチョン)駅1番出口から徒歩4分
富多麺屋(プダミョンオク)
富多麺屋は釜山を代表するリゾート地・海雲台(ヘウンデ)にある平壌式の冷麺(ネンミョン)専門店です。平壌式の冷麺は麺にそば粉が使われていて、麺が黒っぽくて太いのが特徴です。韓国の冷麺とおいしい食べ方について詳しくはこちらを参考にしてください。
富多麺屋では麺に100%そば粉を使用していて、弾力のある食感が特徴です。看板メニューの冷麺には牛だしベースの「ムルネンミョン(水冷麺)」と、コチュジャンベースでピリ辛の「ピビムネンミョン(冷麺)」があって、ムルネンミョンは麺の上に卵と牛肉が乗ったシンプルな見た目です。ムルネンミョンのスープには韓国の高級牛肉ブランド「韓牛(ハヌ)」を使用しています。どちらの冷麺も普通(ポトン)と大盛り(クンゴ)サイズがあって、有料ですが麺(サリ)を追加することもできます。それから、冷麺専門店にもテジクッパ専門店と同様に「スユク」がメニューにあります。通常のメニューは冷麺(ムルネンミョンとピビムネンミョン)とスユクだけですが、冬季限定でコムタンとユッケジャンも販売されます。
富多麺屋の営業時間は11時から19時(ラストオーダーは18時30分)までで、月曜日が定休日となっています。メニュー表には韓国語のみで日本語表記はありません。なので、韓国語が分かる人と一緒に行くと安心でしょう。店があるのは建物の2階です。
最寄り駅:釜山地下鉄2号線 海雲台駅1番出口から徒歩6分
タムミオク
タムミオクは開琴(ケグム)駅の近くにある平壌式の冷麺専門店です。開琴駅は釜山有数の繁華街・西面(ソミョン)駅から4つ先の駅で、観光エリアではないので日本人には馴染みのない場所です。
タムミオクでは自家製麺を使用しています。冷麺は「ムルネンミョン」と「ピビムネンミョン」の両方があって、タムミオクのムルネンミョンも錦糸卵と牛肉が乗ったシンプルな見た目となっています。ムルネンミョンのスープは牛、豚、鶏でのみだしを取っていて、臭みがなくスッキリとしています。冷麺以外のメニューでは牛の様々な部位と野菜が入った鍋「オブクチェンバン」(中・大)が人気で、その他にコムタンやユッケもあります。
タムミオクの営業時間は11時から20時(15時から17時の間はブレイクタイム)までで、それぞれ営業終了30分前がラストオーダーです。日曜日は14時30分までの営業で、月曜日が定休日となっています。メニュー表には韓国語のみで日本語表記はありません。なので、韓国語が分かる人と一緒に行くと安心でしょう。
最寄り駅:釜山地下鉄2号線 開琴駅3番出口から徒歩1分
テジクッパと冷麺の人気店についてはそれぞれ「釜山・テジクッパ編」と「釜山・麺料理編」で詳しく紹介しているので、そちらを参考にしてください。